～就労支援施設アポーヨ富士さんで講義をさせていただきました～
自分の経験が、誰かの役に立てるなら…
私は普段、美容整体・美容矯正サロン「Re・birth（リバース）」で、お客様のお身体と心に寄り添う施術を行っています。
肩こりや腰痛、小顔矯正、姿勢の歪みなどのお悩みに、骨格・筋肉・リンパの3方向からしっかりアプローチして、“本来の自分らしい身体”に整えていくことを目指しています。
そんな私に、ある日突然舞い込んできたのが、
「就労支援施設アポーヨ富士さんで、講義をしてもらえませんか？」というお話でした。
きっかけは、異業種交流会での職員の方との出会いでした。
その場で姿勢や呼吸、体の話をしていた私の話に耳を傾けてくださった職員の方が、
「うちの利用者さんにも、ぜひ伝えてあげてほしい」と言ってくださったんです。
講義なんてやったことないし、本当に自分でいいのか…
そんな不安もありましたが、
「これまで自分が培ってきたことが、誰かの役に立つかもしれない」
そう思えた瞬間、迷いは消えて「伝えてみたい」という思いが強くなっていました。
初めての挑戦。伝えることの難しさと喜び。
当日は20名近くの利用者さんが、教室で待っていてくれました。
「姿勢と呼吸」をテーマに、1時間ほどお話をさせていただいたのですが、
皆さんがとても真剣に耳を傾けてくださって、驚くほど温かい空気の中で進めることができました。
途中、簡単なストレッチや呼吸ワークも取り入れて、
ただ“話す”だけでなく、身体を動かしてもらう時間もつくりました。
「呼吸って、心と身体をつなぐ架け橋なんです」
「姿勢が整うと、人生が変わりますよ」
そんな言葉に、耳を傾けてくれたり、大きくうなずいてくれたり。
私の緊張は、すっかりほぐれていました。
呼吸が変われば、人生が変わる
私自身、20代の頃は長時間のデスクワークと睡眠不足、
30代は飲食業の激務で疲労が蓄積し、慢性的に身体が重かった時期がありました。
そんな中で出会ったのが、“姿勢と呼吸の力”。
ほんの少し姿勢を整え、深く呼吸できるようになるだけで、
驚くほど身体が軽く、心も穏やかになったんです。
この実感があったからこそ、今の施術のスタイルがあり、
「このことを、もっと多くの人に伝えたい」という思いが生まれました。
アポーヨさんでの講義は、まさにその想いをカタチにする機会だったと思っています。
ストレッチで、みんなが笑顔に
座ったまま手をぐーんと上に伸ばしたり、肩甲骨を大きく動かしてみたり、
胸を開いて、深呼吸して、身体の奥から「ふわっ」と力が抜けるような感覚。
教室全体が、少しずつほぐれていくような感覚でした。
普段、緊張感のある日々を送っている方にとって、
「動いてもいい」「ゆるんでもいい」という時間は、
もしかするとそれだけで大きな意味があるんじゃないかなと思いました。
さらに講義のあとの1時間が、本当に宝物でした
終了後には、「質問してもいいですか？」とたくさんの方が並んでくださり、
気づけば1時間以上、ずっとお話をさせていただいていました。
それぞれの悩みや想いに触れる中で、心が震える瞬間がいくつもありました。
● 大切なお姉さんの姿勢を心配する女の子
「お姉ちゃんがいつも姿勢が悪くて、しんどそうで…」
そう話してくれたのは、メガネをかけた優しい雰囲気の女の子でした。
自分のことではなく、大切な人のことを一生懸命考える姿に胸を打たれました。
「でも、直接言うのって難しいですよね」と言う彼女に、
「まずはあなた自身が姿勢を整えて、変わっていく姿を見せてあげるのが、いちばん伝わるかもしれないね」とお伝えしました。
● 足裏の痛みに悩む、スラッと背の高い女の子
「立ってる時間が長いと、足の裏がすごく痛くなっちゃうんです」
よく見ると、膝が反りすぎる“反張膝”の傾向があり、
もしかして、長年お気に入りの靴を履いてるのかもしれないと思い、
「インソールを変えるだけでも楽になるかもしれないよ」とアドバイスさせていただきました。
ほんの少しのヒントが、身体の未来を変えることもあります。
● ヘルニア持ちの女の子からのSOS
首に冷却タオルを巻いた女の子は、腰椎ヘルニアの持ち主。
「座ってると、つい固まっちゃって…」と。
集中することは素晴らしいけれど、
「合間にちょっと身体を動かすだけでも、痛みが和らぐからね」とお伝えすると、
「やってみます」と、前向きな笑顔を見せてくれました。
● 腰痛と偏頭痛に悩む男の子
「腰が痛くて…それと、偏頭痛もよくあります」
そう静かに話してくれた男の子。
「スマホを見る時、顔を下に向けてない？」と聞くと、コクンとうなずいてくれました。
ストレッチ方法とあわせて、「スマホスタンドを使って目線を上げてみて」と伝えると、
「買ってみます！」と即答してくれたのが嬉しかったです。
● 呼吸の浅さに気づいた女の子
大学時代、「肺活量が少ない」と言われたことがあるという彼女。
「右手の冷えもあって、疲れやすくて…」と不安そうでした。
姿勢と呼吸の関係、水分補給の大切さ、手の冷えへのアプローチをお伝えし、
「あと…声が小さいのも悩みで…」と言ったときには、
「全然大丈夫！すごく丁寧に伝わってるから、もっと自信持っていいよ」とお伝えしました。
その瞬間、少し顔がほころんだのが印象的でした。
● 顎と腰に違和感を抱える男性
髪を茶色に染めた男性からは、「顎がパキパキ鳴るんです」とのご相談。
咬筋や側頭筋の緊張を緩めるセルフマッサージをご紹介しました。
「右の腰も痛くなる」とのことで、普段の姿勢の見直しも一緒に確認しました。
● セラピストとして頑張る娘さんのために
松葉杖をついていた女性は、
「10月から浜松に引っ越す長女が、セラピストの仕事をしてるけど、体がバキバキで…」と。
ご自身のことよりも、娘さんの健康を真っ先に心配されている姿が、本当に素敵でした。
「今はなかなかお店には行けないけどまた余裕ができたら行きたいです」
と温かい笑顔を返してくれました。
人と人が“心と身体”でつながる時間
こんなにも深い会話を、こんなにも多くの方とできた時間は、私にとってかけがえのない宝物です。
「教える」というよりも、「一緒に整える」
そんな感覚で過ごさせていただいた2時間でした。
そしてこれから。もっと届く言葉で
講義のあと、施設の方から「またぜひお願いしたいです」と言っていただけたこと、
それが何より嬉しかったです。
今回お伝えできなかったこともたくさんあります。
もっとわかりやすく、もっと寄り添える内容を届けられるよう、
これからも“伝える力”を磨いていきたいと思います。
最後に、心からの感謝を込めて
今回出会ってくださった利用者の皆さま、支えてくださった職員の皆さま。
本当に、本当に、ありがとうございました。
姿勢が変われば、呼吸が変わる。
呼吸が変われば、心も変わる。
そして、人生そのものも少しずつ、確かに変わっていきます。
またいつか、どこかで、
みなさんの素敵な笑顔と再会できる日を心から願っています。
美容矯正サロン Re・birth
作見 憲造
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